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From CEO

第21回 とりあえず駐在員事務所?

2017年8月15日


アルベリーアジアCEOの増井哲朗です。
2017年6月9日の商務省令により、駐在員事務所に関する法令が改定されました。今日は、駐在員事務所について書いてみます。
駐在員事務所(REPRESENTATIVE OFFICE )は1999年の外国人事業法制定後から上記の改定までの期間、外国人事業法の規制業種リスト3の該当業務とされていました。
したがって定められた条件・手続きを経て商務省の審査・認可を受けて、制限された業務範囲で活動を許される事務所(組織)でした。
制限された業務というのは、平たく言えば「商行為はしない.できない」と言うことです。
また、許される業務を理解するキーワードは“本社のために”ということです。
具体的に許される行為としては、
@ 本社のために買い付ける物品・またはサービスを探すこと。
A 本社のために買い付ける商品・製品の検品および品質管理を行うこと。
B 本社が販売した物品に関して、代理店・顧客に対して助言を与えること。
C 本社の新製品または新サービスに関する情報提供を行うこと。
D 本社に対してタイにおける情報をレポートすること。
上記に限って、タイでの活動を許されるということです。
お客様を訪問した際に、販売促進活動になるような活動、まして見積書の提出などは認められません。事務所はあくまで本社からの経費で上記の活動のみを行い、売り上げを立てる行為は禁止されています。
最近の傾向として駐在員事務所の設立が減少傾向にあったのは、上記のようなかなり厳しい制約あるのに、商務省への認可の申請手続きが煩雑であり、苦労して開設しても“割に合わない”という点があったように思います。
一般の会社設立の場合は、申請が全て適正なものであれば、すぐに登記・設立ができます。一方、今までの駐在員事務所設立では商務省への認可申請の後は、全て商務省の管轄下ですから、おおよそ4ヶ月程度という目安はあるもののひたすら認可を待つという期間がありました。それも敬遠される理由であったと思います。
さて、今回の改定では、駐在員事務所の業務は外国人事業法の規制リストから外されました。その位置づけが「会計義務を課される外国法に基づき設立され、タイ国で事業を行う法人」となります。今までのような、商務省での審査を経て認可を受けるという必要が無くなりました。定められた登録申請を行えば、1週間以内には商務省事業開発局から登録証が発行されます。
ただし、今回の改定で駐在員事務所に許される業務範囲が広がった訳ではありません。
また、日本側で申請時に時間が掛かっていた「任命書」「代表取締役宣誓書」の認証は、英文を作成した後に、日本の公証人役場、法務局、外務省を経て在日タイ大使館の認証を得るというプロセスに変更はありません。認証を終わった英文をタイ語に翻訳して商務省に提出するのですから、従前同様の時間は掛かります。
ただ、今回の改定が魅力的なのは、とにかく審査で待たされることが無くなったこと。
もう、4ヶ月も待つ必要はありません。また、登録料(親会社の資本金額により決定)が不要になったことも大きな魅力です。
タイ国政府としては、駐在員事務所の設立により、まずは親会社からの経費の送金が期待できます。また駐在員・従業員の給与から所得税も徴収できます。
そして、駐在員事務所から会社設立となれば、まさに、今回の改定の意味があり、狙い通りの結果でしょう。
駐在員事務所の魅力として、一般の会社と違って、日本人(外国人)1名の就労に対してタイ人4名の雇用が義務付けられません
通常、所長と通訳を兼務した事務員1名という駐在員事務所が多いのではないでしょうか。
今回の改定により、本社の意向が「会社設立決定には至らないが、すでに顧客も存在するタイは無視できない。もう少し“深い情報”を集めたい」というようなものであれば、駐在員事務所を検討するのも良いと思います。
VISAやワークパーミットの取得ができ、法的に問題なく活動ができる自社社員を費用を抑えて、タイに駐在させることができるのは、確かに魅力的だと思います。
「とりあえず駐在員事務所?」というのも、検討価値が出て来ました。
今後、改定後の具体的手続きや、運営について明確になってきます。
また、機会をみて、上記検討のお役に立つような情報をご報告したいと思います。
今回は以上といたします。