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From CEO

第20回 合弁事業を考えた時

2017年7月18日


アルベリーアジアCEOの増井哲朗です。
今回は「合弁事業を考えた時に」という題で、合弁契約にあたっての注意点と合弁契約書の役割について書きます。
タイで事業展開するにあたり、タイ現地ローカル企業と合弁するというケースは数多くみられます。特に、製造業でない事業では、外国人事業法の制約・規制から、どうしても現地ローカル企業の合弁相手を探さなくてはならない場合もあります。
小売業・卸売業を考えた場合、当該企業が資本金1億バーツを越えていれば、小売業または卸売業のどちらか一方は許されるのですが、用意しなくてはならない資本金の額を考えると現実的ではありません
したがって、現地ローカル企業との合弁を考えることになります。
当社にご相談にお見えになる企業様は、これから合弁をしてタイに進出しようという企業様と、すでに合弁形式で進出して事業を行っているが、問題が発生しているという企業様に分かれます。
後者の企業様の問題点も詰まるところ「会社設立時の不注意」ということが多いので、合弁の検討に入る初期段階の注意点について話を進めていくことが適当かと思います。
まず、第一は合弁相手との関係を明確にするということです。合弁と言っても、相手先との関係は本当に多くのケースがあります。この相手先との関係性、合弁する意義を明確にすることが、合弁会社設立への大切な第一歩です。
皆様からの「なにか小学生レベルの話、そんなことは百も承知」という声が聞こえてきます。ところが、ご相談事の多くが、この段階での諸案件がクリアーになっていなかったことに起因しています。
合弁会社として、なんの問題も起きそうにないケースで具体的なお話をいたします。
一般的で典型的なケースとして、長年にわたり代理店として機能してきたローカル企業と合弁して新会社を設立するケース、または長年のOEM製造の委託先と合弁して新会社を設立するケースです。
こうしたケースでは、お互いの守備範囲が明確ですし、長年の信頼関係もありますので、問題は少ないと思われがちですが、注意を向けて、明らかにしておかなければならない点は多々あります
まず、日本人経営者の多くが、もう10年以上もつき合って来て、代金の支払いもしっかりとしているし、あまりうるさいことを言って、相手方の気分を損ねるのは避けたいと考えます。
ただし、合弁するということは、従前のつき合い方、関係とは大きく変化します。
現在の関係が良好であればあるほど“腹を割った”話し合いを合弁会社設立前に行うべきです。後になって、揉める愚を避けるために、合弁会社を設立する前にお互いに十分に話し合うことです。
その話し合いの道具として「合弁契約書」を位置づけるのは、筋道が立った、実効の上がる話し合いを行うために有効な手段です。
誰でも、書いてみて初めて考えが整理できるということは経験しています。
契約書と言っても、大仰に考えずに、相互に意思の確認をした確認書というような位置づけで捉えて、書面での確認を進めて行くと良いと思います。
確認すべき重要なポイントとして
◆ 事業の責任主体はどちらの会社
合弁だからお互い協力するというのは当たり前のことですが、実際の場面では両社の力関係が全く均衡することは稀です。
事業遂行の結果責任はどちらにあるのか。代表者(マネージングダイレクター)はどちらから出すのか、交代制?取締役人数はそれぞれ同数? 銀行署名権者は?等々です。
これらが、整理されず得心の行かないまま合弁するのは避けなくてはなりません。

◆ 株主構成
51:49 ? 私的には49:48:3 というパターンを奨めますが。
また、信頼していても、タイ人個人名義の出資は避けて、法人名義としておいた方が、後々のトラブル発生率は軽減するでしょう。
そのことに、先方オーナーは同意してくれるのか。
また、株式の勝手な譲渡はできないような歯止めは、どうするのか。

◆ 資金負担
更なる資金需要が発生した場合、経営責任を担う会社が全てのローン原資を用意するのか、それとも、株式の持ち分比率に準じて負担するのか。

◆ ブランド使用、技術移転に対する対価
お互いに具体的にはどの程度が適当と考えているのか。合意は可能なのか。

上記のような事項を整理して行くために、契約書を作成して行くのが良いということです。何回でも話し合い、一つずつ合意していくことで、合弁会社の成功率は確実に上がって行く、言い換えれば、確実に失敗するリスクの低減に繋がります。
シンプルな合弁のケースで話しましたが、その他に例えば2社でなく3社の合弁の場合、競合先同士で合弁するケース、異業種の合弁(建設資材と工事業者)等々、難易度も高くなりますし、なお一層、合弁契約書の存在が大切になります。
A-4サイズの紙で、4-5枚の契約書ですが、それが存在しないために揉め事が起きた時、解決の手段がないという場面を何度か経験しています。
今日は老婆心までに、合弁で事業することを考えたときの注意点と契約書の重要性について書いてみました。皆様の参考になることを願っています。