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From CEO

第19回 就業規則作成のポイント

2017年5月15日


アルベリーアジアCEOの増井哲朗です。
前回に続いて、就業規則について書きます。
今回は作成に当たって、具体的な方法と注意ポイントを述べます。
就業規則の作成に当たって、注意するべきポイントとして、まず、第一に当然のことながら、タイ国労働者保護法を守り、それを逸脱しないということです。例えば、従業員の未消化の有給休暇について「買い上げ」をしたくないと言っても、労働者保護法に「日割り計算して買い上げること」が定められていれば、他の選択肢はないわけです。
また、年次有給休暇をできる限り少なくしたいと言っても、労働者保護法に「1年以上勤務した従業員は年間6日の有給休暇を取得する権利を有する」という定めがあれば、6日以下にはできないわけです。
また、生産会社で多く採用される3直、4直などの生産シフトを組む場合の、どの時間帯が時間外給与対象になるのかなどは、事前の十分な確認が必須です。
先の記事でも触れましたが、2017年4月5日 以降は就業規則の労働局への提出義務が無なくなりました。現在、政府機関がチェックするプロセスが省かれていますので、くれぐれも法律に違反する就業規則を作成することがないように、手慣れたコンサルタントに確認しながら進めることが大切です。
第二に、法律的に会社を守る就業規則を作成するよう心がけることです。
例えば、麻薬類の持ち込みなどを厳禁するという条文は入っていても、さらに徹底する意味では、会社が警察立ち会いのもとで実施する麻薬検査で“陽性”の判定が出た者は、その場で解雇されるなどの条項を入れておくのは良いと思います。
また、従業員の違法ソフトウエアーの持ち込み規制についても、明確に重大な規律違反である旨の条文があることは、会社ぐるみで違法ソフトを使用していたというような解釈を打ち消す効果があり、有効です。
第三に、実際の現場で運用し易い就業規則を作成するということです。
できあがった就業規則は実際には総務スタッフや工場長が運用の責任者となります。そのスタッフが使い易い、理解し易いように作成しなくてはなりません。
例えば、休日については、年間カレンダーであらかじめ休日が明確になっているとか、年次有給休暇は半日(0.5日)単位で取得できるようにしておくとか、来年度への繰り越しは認めずに、残日数は買い取る制度で、有給休暇の管理をシンプルにするなどという配慮です。
実際に作成を進めて行く過程では、まず、経営幹部がコンサルタントと相談しながら全文を日本語で作成するのが良いと思います。その過程で、労働者保護法の主旨と問題が起こりがちな条項を理解して、運用方法のコツを習得できます。
今までも繰り返し言って来たことですが、タイは日本ではありません。日本での労使関係のことをいくら力説しても、なんの意味もありません。
タイ国の労働者保護法の定める内容を、就業規則の作成過程で、日本語で理解することは効率的な学びの機会となります。
また、その際にお願いしたいのは、特殊な事例・条項など、例えば特別解雇補償金などの取り決めでなく、日々の経営の中で直面するごく当たり前の事例・条項を中心に学ぶことをお願いいたします。
そして、その後、得心のいった就業規則をタイ語翻訳して、従業員用に使用するのが良いと思います。
また、できあがった就業規則は、従業員を集めて経営幹部の立ち会いのもとで、総務スタッフから説明し、説明を受けた証として、出席者全員の署名を取っておくのが大切です。そして、採用の都度、それを繰り返していくことが重要です。
2回にわたって就業規則の作成について書きました。
皆様のご参考になることを願っています。